海野宿ふれあい祭り
海野宿ふれあい祭りは平成2年に開催された「ほうとう祭り」が始まりです。当初は海野宿のある東御市本海野区の区民の交流や親睦のために開催されました。
何故海野宿でほうとう?と思われた方も多いかもしれません。それは江戸時代に多くの旅人が行き交う宿場町として海野宿が栄えたころの民話と地域のお母さんたちの伝統に由来します。
江戸時代、海野宿はお殿様が江戸まで参勤交代に通った宿場町でした。お殿様は各宿場で名物を召し上がりながら江戸まで向かいます。ところがお殿様ですから、毒味されたものを召し上がるので、いつも冷たくなってしまったものを口にされていたそうです。
そんなお殿様が海野宿で休憩されていた時、向かいのお宅から美味しそうなよい匂いがただよってきて、子どもが何か食べている様子。
家来によると「かぼちゃぼうとう」なるものを食べているとのこと。
「余もかぼちゃぼうとうが食べたいのじゃ!」とお殿様がおっしゃったかどうかは分かりませんが、いつも冷たい食事をされていたお殿様は、熱々のかぼうちゃぼうとうを食べて、いたく感動されたそうです。
その後、他のお殿様にもその話が伝わり、海野宿でかぼちゃぼうとうを所望されるお殿様が増えて、家来等を困らせたのだそうです。
時は現代、平成2年。海野宿では、ほうとうはお母さんたちの自慢のお料理でした。お婆さんからお母さんへ、そしてお嫁さんへと伝わってきた大切なレシピを、当時の婦人部の皆さんが地区の若い方にも伝えるきっかけにしようとはじまったのが「海野宿ほうとう祭り」です。
その少し前、 昭和62(1987)年に海野宿が重要伝統的建造物群保存地区に選定されたこともあり、ほうとう祭りが始まった翌年に改めて「海野宿ふれあい祭り」として、地区住民以外の方もお迎えして、海野宿を楽しんでいただこうと開催することになりました。